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なんであのとき放送局

なんでもない平日のお出かけにカフェを訪ねた話 前編

※伊織さんの了解を得て「植物乙女」より転載しております。
 
 なんであのときcafe」に行ってまいりました。
 
 前回のなんあのリスナー会レポがインタビュー風だったので今回はエッセイ風を目指しました。
ちなみにカフェに7時間も滞在しておりましたので、時系列や細かい会話がごっちゃになっている可能性がございます。予めご了承ください。
 
 空にはどこまでも白っぽい水色が広がり、右手には満開のツツジ。私は本町駅の喧噪を背に、初めて歩く道をまっすぐに進んでいた。手元のiPhoneに視線を落とす度に目的地が近づいているのが分かって、じんわりと手汗をかいた。緊張していた。
 
 その日の私の目的は、名古屋市千種区猫洞にある「なんであのときcafe」を訪れる事であった。新幹線で名古屋駅、そこから名古屋市営地下鉄に乗り換えて本山駅。駅からは徒歩で約10分程度、お店らしからぬ名前のそのカフェは、その店の成り立ちを知らない人間に少しばかり入りづらいオーラを感じさせるだろう。
 
 深いグリーンと爽やかな白のコントラストが、シンプルながらも目を引く猫の看板。その店名は、この前を通った多くの人々の頭の上に疑問符を浮かべさせたに違いない。
 
 私はそのカフェを訪れるのが初めてにも関わらず、カフェのマスターのことをよく知っていた。トクマスタケシ。三十代後半の男性で、元お笑い芸人、元コンビニ店員、現在は彼女無し、家族構成は母と姉で……そして、人気ポッドキャスト「なんであのとき放送局」のメインパーソナリティーの一人である。
 
 ポッドキャストとは、素人でも配信可能なネットラジオの事だと思って頂ければ事実と相違ないだろう。ユーチューバーの音声版と言えばわかりやすいだろうか。とにかく彼は多いときで週5回も番組を更新するほどのポッドキャスト中毒者であり、そしてその番組には多くのファンがついているのである。
 
 かく言う私もその大勢のファンの中の一人である。そう。“だから”カフェを訪れたのだ。なんであのときcafeのオーナーであるトクマスさんのファンだから。とんだミーハー根性である。
 
 しばらく道を歩いていると、右手に大きなドラッグストアが見えた。看板を見上げる。白沢ドラッグ。馴染みのない名前のドラッグストアだが、マスターがカフェの近くにこんな名前のドラッグストアがあると言っていた。よし、やっぱり道は間違えていないぞ。そう思った瞬間、前方に赤い軒先テントが見えた。進む。ジュエリーショップのケイウノだ。と言うことは、ケイウノと赤い軒先テントの中央にある建物こそが、なんであのときcafeである。
 
なんであのときCafeの入りぐり
 
 4、5段の小さな階段を上がりながら、私は今朝の占いを思い出していた。特に聞こうと思って聞いていたわけでは無かったのだが、そのラジオ番組では決まった時間に今日の運勢を読み上げるのだ。「12月生まれのあなた。 Very nice! 新しい出会いに恵まれる日。笑顔を絶やさずにね」。ありきたりな文言だけれど、なんとなく今日の自分にぴったりな気がしてよく覚えていた。
 
 Openの札が下げられた自動ドアが開く。不思議な模様の階段を上がると、踊り場にたどり着いたあたりで「いらっしゃいませ」の声が聞こえた。女性の声だ。と言うことは、この声の主がトクマスさんのお母様……アヤコーホーさんか。
 
 視線を上げると、階段を上りきった先にバーカウンターのような物があるのが見えた。右手に大きなシルバーのMac。しかしそこは無人だ。階段を上りきると、先ほど見えたカウンターを垂直に、もう一つカウンターがある。あ、と思った。白いシャツ、黒い蝶ネクタイにシルバーのドッグタグ、深緑のエプロン。短髪の男性が爽やかに笑う。一方的によく知っている顔だった。
 
「伊織さんですか?」
 
「あ、はい。はじめまして」
 
 頭を下げたのだろうか、へらへらと笑ったんだろうか。そのあたりの記憶は曖昧だ。カウンターには、眼鏡の男性と品の良い女性が座っていた。
 
 
 一通りの挨拶を済ませて分かった事は、眼鏡の男性は同じリスナーとして名前を良く耳にする極楽うさぎさんであると言うことと、一番右端の席に座っている女性はアヤコーホーさんの幼なじみであると言うことだった。
 
 カウンターの一番左の席でお冷やとおしぼりを受け取る。ネット上のごっこ遊びでは何度も繰り返したやりとりだったので、なんだか笑ってしまった。
 
 お冷やを一口頂きながら、盛り上がっているマスターを見上げる。「思ったよりお洒落」とよく評される店内は、なるほど確かに思ったよりお洒落であった。
 
 食器やグラスが正面の棚に並んでいる、右側の棚にはアルコール類だ。ツイッターで見たミロもある。なにもかもがモニター越しに見た風景のままで、なんだか不思議な気持ちだった。マスターの話に相槌を打つ。そして、私は意を決して口を開いた。
「あの、注文聞いて貰ってもいいですか?」
 
 慌てた様子のマスターからメニューを受け取りトマトパスタと食後のカフェラテを注文すると、しばらくして店内の照明が落ちた。窓から差し込む日光のために真っ暗闇というわけでもないのだが、かといって誰かのサプライズバースデーパーティーというわけでもない。
 
「ブレーカーが落ちた!」
 
 誰かが言って、私は手を叩いて喜んだ。オープン初日にも、こうしてブレーカーが落ちたことがあったらしいのだ。まさかそれを、体験できるとは。
 
 マスターが階段を下りていき、ブレーカーが上げられる。店内はすぐに明るさを取り戻して、私はiPhoneを手に取った。ツイッターを開く。「やったー!ブレーカーが落ちたぞー!」とツイートすると、すぐにイイネがついた。なるほど、なんであのとき放送局のリスナーだ。
 
 オープン初日はコーラを提供するまで30分かかっていたらしいのだが、そうとは思えない手際の良さでトマトパスタは現れた。
 正式名称である「トマトパスタにパン刺しちゃいました」の通り、しめじとアサリのトマトソースパスタの麺に、軽く焼いたパンが刺さっている。白いお皿を飾るグリーンのソースもそれっぽい。
 
トマトパスタにパン刺しちゃいました
 
 なんであのときcafeのマスターは新米マスターだが、なんであのときcafeで出される料理の味は折り紙付き。なぜなら、調理しているのはあのJOHNJさんであり、JOHNJさんと言えばなんであのとき放送局メインパーソナリティーの一人であると同時にプロの料理人でもあるからだ。
 
 マスターの話は面白く、それにどんどん参加したい気持ちはあるのだが、パスタが冷めてはもったいない。それに時刻は14時を回っている。パスタのために昼食を取らなかった私はとてもおなかがすいていたのだ。相槌だけで会話に参加しつつ、パスタをフォークに巻き付けては口に運んだ。噂に違わず美味である。トマトの酸味とあさりのうまみ。食べ飽きることなく、あっという間にお皿の上からパスタが消えた。
 
 
 パスタを食べ終えた頃、談笑されていたアヤコーホーさんの幼なじみがお帰りになられた。
 
 「またお会いできたらいいですね」と声をかけて頂き、暖かな気持ちで居ると、誰かがトントンと階段を上がってくる音がした。お客様だろうか。ちらりと階段の方に目をやる。上がってきた男性が振り返るなり、私は「わ」と声を漏らした。
 
「こんちわ」
 
 グレーの帽子、白いシャツ、聞きなじみのある声。
 
「おう、極楽さん。伊織ちゃん?」
 
 私に名前を尋ねる男性、その人こそがJOHNJシェフである。
 
 まさかお会いできるとは思っていなかった私の動悸が収まらないうちに、シェフは厨房へ消えていく。どうやらお仕事に来られたらしい。私の席のすぐ隣の厨房から、JOHNJシェフが調理に励む音が聞こえた。
 
 
「トクちゃん、ちょっと下の八百屋でマッシュルーム買ってくるわ」
 
 厨房から顔を覗かせたJOHNJシェフがそう言って、マスターが残念そうに眉を下げる。マスターのカフェやポッドキャストへの熱い思いを聞いていた私たちも、厨房の方を見た。
 
「八百屋さん、やめちゃったんだよ」
 
「え!? マジで?」
 
「昨日までだって」
 
「えーっ」
 
 マスターだけでなく、アヤコーホーさんやJOHNJシェフの眉も下がる。しかし、八百屋がなくなったことを残念がっていてもパスタソースはできあがらない。JOHNJシェフはぱっと切り替えると「じゃあ、俺、ちょっとスーパー行ってくるわ」。
 
「えっ、いやいや、JOHNJくん料理してるじゃん」
 
「私が行ってきますよ」
 
「いいっていいってアヤコーホーは」
 
「いやだから僕が」
 
「なんでマスターが居なくなるんだよ!」
 
「いやでも料理してもらってるし」
 
「こんなもんほっといても大丈夫だって!」
 
 三人が三人とも「自分が行く」と言っているのを眺めながら、これは私が行ったほうがいいのではと言う気さえしていた。マスター、アヤコーホーさん、シェフ。どう考えても誰一人外せない。……しかし、私には猫洞の、本山の地理が分からない。隣に座っていた極楽うさぎさんもきっと同じような事を考えたと思うのだが、こちらも他県の方、状況は私と同じだ。
 
 何も言えずに事の成り行きを見守っていると、JOHNJシェフの大きな瞳が私を捕らえた。カーテンから覗く顔の距離が近い。
 
「わりぃけど伊織ちゃん、行ってきてくれる?」
 
「お客さんだよ!」
 
 シェフのボケにマスターの鋭いツッコミが突き刺さる。そのやりとりはとてもユーモアのあるもので私はすごく笑ったのだけれど、それ以上に、私はJOHNJさんにイジってもらえたことが嬉しかったのだった。

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